自己愛性パーソナリティ障害(NPD)は人を愛せるのか?
- Aira-Life-Coaching
- 2024年12月8日
- 読了時間: 3分
更新日:2月22日

自己愛性パーソナリティ障害(NPD)に関して沢山の質問をいただきますが、しばしば聞かれるのがこれです。「NPDの人は本当の意味で他者を愛することができるのでしょうか?」
シンプルにお答えすれば「ノー」となると思います。
NPDの人は自分が一番であり、他者に共感したり利他的になることができません。ですので、自分ではない他者に真に興味を持ち、理解したいと願い愛する、ということが非常に難しいのです。
私たちは他者と接して関係を深めると、その人の存在に感謝したり、その人の幸せや健康を願ったり、困ったときは力になりたいと思ったりします。時には自分の労力や時間などをその人のために費やしても、健やかで幸せでいてほしいと思う。そのような通常の愛情というものを感じるキャパシティが、NPDの人には備わっていません。
しかしながら、NPDの人も他者に対して「愛している」「好き」という表現を使うことがあります。それではNPDの人にとっての愛とは一体何でしょうか?
・相手が自分の気分を良くしてくれることをが「好き」
・相手が自分の望むことをなんでもしてくれることが「好き」
・相手が自分を愛していることを「愛している」
・相手から何かをテイクするためには「愛している」と言う
・相手から賞賛や愛情を得るために「愛している」と言う
・「愛している」と言えば相手がなんでも自分の思い通りになる状態を愛している
・今この瞬間は相手に良い感情を持っている、という意味の「好き」であり次の瞬間それが持続しているかどうかは全くわからない
このように、NPDの人は他者に対して「愛情」を持っているというよりも、「自分の役に立っているか」「自分に何かを与えてくれるか?」「この人と一緒にいることで利益はあるか?」という視点で人間関係を見ているのです。
また、NPDの人は理想の相手というものに幻想を抱いています。すべてを満たしてくれる完璧な相手。魅力的で才能がありお金もあり人望もある、夢のような完璧な人を求めています。
自分の理想通りの人が現れた!と思うと理想化して賞賛する。でも世の中に理想通りの欠点のない完璧な人など存在しませんから、しばらくすると欠点に目が行くようになる。すると、やっぱりこの人は理想の人ではなかったと脱価値化が始まるのです。
もしも、あなたのパートナーがNPDである場合、あなたが相手を愛するのと同じように相手が愛を返してくれる可能性は低いでしょう。
それでも、それを許してそこにとどまるのか、愛を返してくれない相手に愛を注ぎ続けるのかどうか、考えてみてください。
このような特徴はNPDのタイプによって言動へ表れ方が異なります。NPDの5つのタイプについて詳しく知りたい方は、
それぞれのタイプを詳しく解説し、例をあげてその典型的な言動や対処法、そしてターゲットが受ける影響について、わかりやすく解説します。
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あなたが健やかな明るい未来へ向かいますように。
メンタルヘルス・依存症サポートワーカー/ライフコーチ
堂前宏美
References:
Elinor Greenberg, "Are Narcissists Really Capable of Enduring Love?" Psychology Today, 2019
Elinor Greenberg, "5 Harsh Truths About Narcissistic Love" Psychology Today, 2022
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