自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の嘘
- Aira-Life-Coaching
- 2024年11月20日
- 読了時間: 4分
更新日:3月22日

自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の人が身近にいる方のほとんどが、NPDの人に嘘をつかれた経験があると思います。
それは些細な嘘の時もあるし、あまりにも大きな嘘なので逆に信じてしまいそうになる・・・そんな嘘もあると思います。
なぜこんなに頻繁に嘘をつくのか?良心は痛まないのか?嘘をついている自覚はあるのか?証拠を見せれば嘘を認めて反省するのか?
そんな風に疑問が沢山でてくる人が多いのではないでしょうか。
自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の嘘は、自分の「誇大性」を守るためです。
自分は特別な存在であり、周囲の人の誰よりも優秀で、大勢の人から賞賛を集める存在。そのような自分自身の中にある自己像。それは現実とは違う、偽りの像にすぎません。
しかし、NPDの人はそれを認めることができません。現実の自分がどんなに自分の思うような姿と違っていても、生きていくには、それが自分の真実の姿なのだと信じる必要があるのです。
そのため、その仮面が剝がれそうになった時、嘘をつくことに躊躇がありません。
・失敗した時、これは自分がやったのではないと言う。
・自分のミスを人のせいにする。
・起こしたことの責任を取らずに被害者の立場を取る。
・証拠を見せられると「そんな物を出してくるなんて、私を騙したあなたは最低」「そんな物はいくらでも偽造できる」などと認めず、逆に相手を非難し罪悪感を持たせる。
・浮気をしたことを指摘すると、それは事実とは違う、君の方こそ浮気しているんじゃないのか、などと論点をすり替える。
これらの嘘はすべて、自分の誇大性を守るための防御メカニズムです。
必死に守ろうとしている自分の仮面を剝がされそうになることが、たまらなく恐怖なのです。ですので嘘で固めて偽りの自分をなんとしてでも守り抜こうとする。
ですので、嘘が露見しそうになったり指摘されたりすると、激昂したり、逆に攻撃を強めたりします。
嘘をついている認識がある場合もあるし、自分の誇大性からそれが本当だと思い込んでいることもあります。NPDの人は記憶を改ざんするので、本人にとってはそれが真実の場合もあります。また、たとえ自分の嘘を認識していたとしても、それは自分を守るために正当なことだと心から信じているのです。
NPDの嘘が暴かれるのは自分を失うこと。その恐怖のため嘘を認めて反省することは、難しいでしょう。
離婚や訴訟のために必要な然るべき証拠を保全する必要がある場合ももちろんあります。でも、もしもあなたが、相手に反省をさせようとして証拠集めをしているのならば、それは期待できないと思った方がよいでしょう。
証拠を苦労して集めて本人に突き付けたところで、相手の仮面が剥がれるかもしれない恐怖心をあおってしまうだけです。逆にあなたに対する攻撃が増し、傷ついてしまうかもしれません。
理由がどうであれ、嘘をつかれる関係性は、信頼関係を築くことができません。この関係に留まるのかどうかも含めて、あなたがこれからどうしていきたいのか、自分自身の心身の健康を一番に考えていきましょう。
*「NPDの嘘とフェイクの謝罪」についてXスペースでお話しました。リスナー様からの質問にもお答えしています。聴いてみたい方はこちら
*このような特徴はNPDのタイプによって言動への表れ方が異なります。NPDの5つのタイプについて詳しく知りたい方は、
それぞれのタイプを詳しく解説し、例をあげてその典型的な言動や対処法、そしてターゲットが受ける影響について、わかりやすく解説します。
*リアルタイム受講は終了しましたが、アーカイブ視聴お申込2025年3月22日まで受け付けております。
あなたが明るく健やかな未来へ向かいますように。
NPDサバイバー回復コーチ
堂前宏美
References:
Erin Leonard, "Does a Narcissist Believe His or Her Own Lies?" Psychology Today, 2019
Katharine Fabrizio, Why A Narcissist Lies And What" It Says About Them" PsychCentral, 2019.
Dr.Ramani, "When YOU call out a narcissist for lying" 2024
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