自己愛性パーソナリティ障害(NPD)と依存症
- Aira-Life-Coaching
- 2024年9月18日
- 読了時間: 3分
更新日:3月22日

自己愛性パーソナリティー障害(NPD)を持つ人が依存症を併せ持っているケースは多く聞こえてきます。そして、NPDの特徴と依存症の特徴には共通点があると言われています。
・他者への共感力が低い
・自分は優れているという誇大感
・もろい自己肯定感を補うために、物質依存や行動依存になる
・他者に迷惑をかける行為や自らを危険にさらす行為を躊躇しない
すべてのNPDの人が依存症を持っているわけではありませんし、依存症に人のすべてがNPDなわけではありません。
しかし、NPDの人はそのもろい内面から空虚感や焦燥感を抱えている場合も多く、紛らわすために物質や行動に依存しやすいと言われています。
また、自分が持つ優れた存在である自己のイメージと、現実の自分とのギャップに苦しみ、うつ病などを発症することもあるので、その苦しみから逃れようとアルコールなどに依存するケースも見られます。
このように、NPDに限らず精神疾患と依存症には深い関係があります。
私のカナダでの職業は "mental health and addiction worker" です。精神疾患と依存症の専門職であり、この職に就くには精神疾患と依存症を同時に学ぶ必要があります。この二つは関連性が極めて高く、両方を発症して苦しんでいる人が多いからです。
精神疾患を発症し、その苦しみや症状を和らげるためにアルコールや薬物に頼り依存症になってしまうケース。
依存症になり、それゆえに仕事や学業を以前と同じ様に維持するのが難しくなってしまったり、家族や友人との関係に影響を及ぼし、その苦しみから鬱病などの精神疾患を発症するケース。
薬物の使用が精神疾患を誘発するケース。例えばカナダではマリファナが合法ですが、若い時の使用が統合失調症を誘発するとも言われています。
様々なケースがあり、それぞれの治療やサポートも連携して行うのが一般的です。
しかし、精神疾患と依存症をリンクさせた情報が、まだまだ日本では不足しています。ですので、精神疾患と依存症、どちらかで苦しんでいる方が、そのどちらかについてのみ情報を集めている、という場合が多いのではないかと思います。
調べても知識を得てもしっくりこない、なかなか解決の糸口が見つからないという場合は、もう一方についての情報も集めてみると、もしかしたら解決のヒントが隠されているかもしれません。
依存症はアルコールやドラッグに限ったものではありません。ギャンブル、ゲーム、スマホ、性依存などさまざまなものがあります。
NPDを始めとするパーソナリティー障害や、精神疾患を持つ全ての人が依存症であるわけではありませんが、可能性として二つをリンクさせて情報を調べた場合、どちらか一方だけの情報からは得られなかった、手がかりが見つかるかもしれません。
*「依存症」をテーマにXスペースでお話しました。カナダで依存症サポートワーカーとして働く経験を交え、依存症についてわかりやすく解説しています。リスナー様からのご質問にもお答えしています。聴いてみたい方はこちら
あなたが健やかな明るい未来へ向かいますように。
NPDサバイバー回復コーチ
堂前宏美
References:
"Is there a link between narcissism and addiction?" Joanne Lewsley, Medical News Today, 2022
Smarmore Castle, 2024
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