“毒親”は自己愛性パーソナリティ障害(NPD)かもしれない
- Aira-Life-Coaching
- 2024年6月9日
- 読了時間: 3分
更新日:2月22日

自己愛性パーソナリティ障害(NPD)はパートナーや恋人関係だけでなく、親にあてはまる場合も多くあります。
いわゆる「毒親」との関係に悩んでいる方の投稿や記事などを読むと、NPDの特徴に当てはまっていることが多いです。例えば、
①子供に対する暖かい愛情と冷酷な態度がころころと入れ替わり混乱させる。
②無理難題を子供に押し付け、できないと批判する。
③子供が何か達成できた時など、条件付きでしか誉めたり愛情を示したりしない。
④子供の誕生日や卒業式などの晴れの日に、親である自分に注目を集め自分が主役になりたがる。
⑤子供の感情や意見を常に否定する。
⑥いつも自分が正しいと言い張り、非をみとめない。
⑦配偶者や兄弟への虐待を子供の目前でおこなう。
このような養育環境で育てられた子供は自己肯定感を適切に育てる事が難しくなり、自分の価値を信じられなくなってしまうことが多くなります。常に感情を否定されてきたので、自分がどう感じるか、どうしたいかを明確にすることが難しくなり、他人に合わせることが多くなります。親の機嫌を常にとって生きてこざるを得なかったため、大人になってからも周りの人の顔色をうかがってしまいがちになります。
そして大人になってから築く人間関係も、幼いころからの親との関係が深く影響するので、パートナーや友人、配偶者などがNPDである可能性も高くなります。
知らず知らずのうちに、幼いころから慣れ親しんだ関係の築き方が影響し、親と同じ特性をもつ人に惹かれたり親しくなったりします。自分勝手にふるまわれても、親との長年の関係によってそのような関係に慣れているので無意識に居心地よく感じてしまう。そして親にいつも賛同を強いられ喜ばせることを強要されてきたため、子供は共感性が非常に高くなる場合が多く、するとNPDのパートナーに対しても、理解して支えてあげなければという気持ちが強く働き、抜け出すのが難しくなってしまうのです。
親がNPDの場合、家族なので離れたり拒否することが、他人より難しくなります。そして、親をこんな風に否定したりするのは親不孝だとか悪い子供だとか、世間一般の意見にも押しつぶされそうになって苦しむことが多いです。
わかってほしいのは、あなたは悪くないということです。あなたは幼い頃から一生懸命に生きてきた。そのような難しい親のもとで今まで生き抜いてきたあなたは素晴らしいのです。親を嫌っても親のせいにしても、いいのです。
養育環境は大人になってからの人間関係の構築に深く影響します。NPDのパートナーや友人との関係に悩んでいる方は、専門のカウンセラー等と共に安全な場所で自身の幼少期や養育環境などを振り返る作業をすることが、解決への手掛かりになることもあります。
機能不全家族で育った人は、親との愛着スタイルの形成が大人になってからの人間関係の構築に深くかかわってきます。自分やパートナー、身近な人の愛着スタイルを知ることで、人間関係を理解しよりよい関係を築くヒントになります。
このような愛着スタイルについてもっと深く知りたい方は
動画講座「愛着スタイルと愛着障害」をご覧ください。
各スタイルの特徴や形成される背景など詳しく解説しています。自分のスタイルを知るテスト付きです。きっと回復の手がかりがみつかると思います。
あなたが健やかで明るい未来へ向かいますように。
NPDサバイバー回復コーチ
堂前宏美
References:
Hailey Shafir, "10 Signs of Being Raised by Narcissists & Effects in Adulthood." Choosing Therapy, 2023.
Nakpangi Thomas, "Narcissistic Parents: Traits, Signs, & How to Deal With One." Choosing Therapy, 2023.
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