自己愛性パーソナリティ障害(NPD)親の子供たち
- Aira-Life-Coaching
- 2024年11月30日
- 読了時間: 3分
更新日:2月26日

以前の記事「毒親はNPDかもしれない」でお話した通り、いわゆる“毒親”と呼ばれる親は自己愛性パーソナリティ障害(NPD)である可能性が高いと言われています。
NPDの人が親である場合、その子供たちは高い確率で精神的虐待をされて育ちます。
ここでは母親がNPDの場合を例に挙げてみましょう。
まずNPDの母親の配偶者である父親はどのような状況にあるのか?大抵の場合、父親は “イネイブラー” であることが多いです。“イネイブラー”とは、もとはアルコール依存症者のパートナーを指す言葉です。
イネイブラー:アルコール依存症の人を依存症でいられる環境を与えて支える人のこと。例⁾ お酒を買ってきてあげる、仕事をしない依存症者を養う、など。現在はもっと広義な意味で使われる。
NPDの母親を配偶者にもつ父親は、相手の言うことを何でも聞き、子供への虐待を止めることもなく見ないふりをする。または、問題が起きた際「お母さんの言うことをききなさい」「お母さんはお前たちのためを思っているんだ」などとかばったり。つまり、NPDがNPDであり続けることができる環境を与えているのです。
イネイブラーも元はNPDのターゲットで、自分の身を守るため、そこで生き抜くためにイネイブラーになったのでしょう。
しかしそれは、子供にとっては関係のない事情。母親からの虐待から守ってくれない父親は、共に子供を虐待する虐待者なのです。
NPDを親にもつ子供は、兄弟姉妹間で対立するよう仕向けられます。一方は「愛玩子=ゴールデンチャイルド」、もう一方は「搾取子=スケープゴート」です。
愛玩子のことを特別扱いし過剰に可愛がり、搾取子のことは無視や冷酷な態度、暴言などで攻撃します。
そうすることで兄弟姉妹間で三角関係化を行い、対立して苦しむことを子供に強いているのです。
搾取子は愛玩子に対してうらやましいと思うかもしれません。しかし、愛玩子も本当に愛されているわけではなく、あくまでも愛と言う名の衣にくるまれた虐待を受けているに過ぎないのです。
愛玩子は自分が虐待を受けていると気が付くことが非常に難しく、親から離れることができなくなってしまう傾向があります。親は愛玩子が自分から離れていかないように、自立をするためのスキルを教えず、親がいなければ何もできない、決められないという状況を作り上げます。そして、愛玩子の人生は自分のもののように振る舞います。入学式も、受験も、友人関係も、結婚式さえ、まるで自分が主役のように侵入してくるのです。
愛玩子、搾取子、どちらも虐待を受けていることには変わらない。あなたがもしどちらかの役割をさせられていたと思い当たるなら、その気付きこそが脱出の第一歩です。親や家族以外のいろいろな人と繋がりを深め、自分の育ってきた環境を客観的に見る機会を増やしましょう。
機能不全家族で育った人は、親との愛着スタイルの形成が大人になってからの人間関係の構築に深くかかわってきます。自分やパートナー、身近な人の愛着スタイルを知ることで、人間関係を理解しよりよい関係を築くヒントになります。
このような愛着スタイルについてもっと深く知りたい方は
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各スタイルの特徴や形成される背景など詳しく解説しています。自分のスタイルを知るテスト付きです。きっと回復の手がかりがみつかると思います。
あなたが健やかで明るい未来へ向かいますように。
NPDサバイバー回復コーチ
堂前宏美
References:
Linda Hill, ”Recovery from Narcissistic Abuse, Gaslighting, Codependency, and Complex PTSD" 2022
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