自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の「自己愛憤怒」
- Aira-Life-Coaching
- 3月7日
- 読了時間: 3分

自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の人は、時折、過剰な怒りを表し通常では考えられない感情の爆発を起こすことがあります。
ほんの少しのきっかけで、突然激高するので、周囲の人は何が起きたのか理解できずに驚きます。
その激高は、大声を上げる、罵倒する、暴力をふるうなどの激しい言動になって表れる場合も、サイレントトリートメントなどの受動攻撃の形をとって表れる場合もあります。
どちらの激高も、周囲の人にとっては非常に恐怖をあおられて傷つけられる行動です。
このNPDの人の激しい怒りを「自己愛憤怒」と呼びます。
「自己愛憤怒」は何が原因で起こるのでしょうか?それは前回のブログでお話した「自己愛損傷」です。
NPDの人の根底にある低い自己肯定感や本当はもろい自己を抱えています。実は非常に他傷つきやすく、他者に批判されたり、自分を賞賛してもらえなかったり、単なる意見の相違などでも、過剰に傷ついてしまいます。
自分の存在意義を他者が自分を賞賛したり特別扱いしたりすることで、どうにか保っており、それが少しでも覆されそうになると、たちまち心が深く傷つてしまう。これを「自己愛損傷」と呼びます。
この自己愛損傷によって、NPDの人は通常では考えられない過剰な反応を表し、それは他者への攻撃や激しい怒りとなります。突然激高したり、相手を侮辱したりののしったり、相手を加害者にして被害者ぶったり、嘘をついたり、サイレントトリートメントなどの受動攻撃を始めます。
自己愛憤怒のトリガーを見ていきましょう。
・誇大性を傷つけられた
・自身への批判
・相手を支配したい
・自分の思い通りに事が運ばない
・見捨てられ不安
・理想の自己像と現実のギャップ
・自らの責任を逃れたい
・孤独への恐怖
・自分の評判に傷がつく
様々なトリガーがありますが、基本的には「自己愛損傷」が根底にあります。
深く傷つきそれをどうにかしたい、でも適切な感情の整理の仕方がわからず、「自己愛憤怒」となって合わられてしまうのです。
自己愛憤怒の攻撃の対象になると、ターゲットの心に非常に大きな影響を与える可能性があります。
・攻撃された恐怖から心がフリーズする
・恐怖と罪悪感を植え付けられて心理的支配が強まる
・相手の「憤怒」を避けるために自分を犠牲にして尽くす
・こんなに怒らせる自分が悪いと自責する
自己愛憤怒の攻撃にあった時は、まず自分の安全を一番に考えてください。相手が暴力的攻撃的な場合は、物理的に距離をとりましょう。
そして、相手がどんなに自分を責めたり非難されようとも、これは自己愛憤怒であって、自分は悪くない、ということを覚えておいてください。
NPDの人の内面のもろさが起因している、つまり原因はあなたにはありません。
安全な場所で安心できる信頼できる人達に助けを求めたり、専門家に相談しましょう。
あなたが健やかな明るい未来へ向かいますように。
NPDサバイバー回復コーチ
堂前宏美
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References:
Preston Ni, "8 Signs of Narcissistic Rage: Narcissistic rage and its destructive consequences." Psychology Today, 2018.
Saul McLeod, "Narcissistic Rage: Signs, Causes, Examples, & How to Cope" Simply Psychology, 2024.
"Narcissistic Rage: Understanding the Explosive Outbursts" Psychology, 2024.
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